“みんなに買ってほしい”は誰にも響かない。刺さるチラシに欠かせないペルソナ設計術

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「幅広いお客様に来てほしいんです」
よく聞くこの言葉。けれど実はこの考え方が、あなたのチラシや広告を「誰にも刺さらない」ものにしているかもしれません。

チラシでもLPでも営業トークでも、“誰に伝えるか”を明確にしない限り、言葉は宙に浮いたままです。
逆に、「この人に向けて書いた」という設計があると、メッセージが深く刺さり、反応は一気に変わります。

今回は、反応率を劇的に上げるための「ペルソナ設計術」について、実践的なステップと具体例を交えて解説します。


なぜ「誰にでも売れる」は失敗するのか?

“みんなに喜ばれる”は魅力的に聞こえますが、マーケティングでは逆効果です。
人は自分に向けられたメッセージにだけ反応します。

ちょっと大げさな言い方をすると、「人は自分のことしか興味ない」。

なので、ぱっと目にしたときに「自分に関係ある内容だ」と思ってもらわなければなりません。

たとえば以下の2つのキャッチコピーを比べてください。

  • 「肩こりに効くマッサージ」
  • 「在宅ワークで一日中PCに向かっているあなたへ。慢性的な肩こり、もう我慢しないでください」

後者のほうが、自分ごととして刺さります。
この「自分に言われている感」を作るために、ペルソナ設計が必要なのです。


ペルソナとは何か?ターゲットとはどう違う?

情報発信をする際に、ある程度の客層、性別や年令などは想定しているかと思います。

でも「ペルソナ」は、もっと具体的な人物像を設定します。

  • ターゲット=層(例:30〜40代女性、子育て中)
  • ペルソナ=個人(例:35歳、埼玉県在住、2人の子育て中、フルタイムで働く、休日は買い物と動画鑑賞)

ペルソナはターゲットの中から代表的な人物を“1人”に絞り込み、具体的に設定します。
架空でもOKですが、「実在の顧客」を元に作ると精度が高まります。


ペルソナを作るための5ステップ

  1. 現実の顧客を思い出す
     今までのお客様で「理想的だった人」「相性がよかった人」を具体的に思い出します。
  2. 属性を書き出す
     年齢、性別、家族構成、住んでいる地域、職業、生活スタイルなど。
  3. 悩み・不安・欲望を書く
     「どんなことで困っていたか?」「どうなりたいと思っていたか?」
  4. 購買行動の背景を探る
     なぜその商品を選んだのか?決め手は何だったか?価格?安心感?専門性?
  5. 名前をつける(おすすめ)
     例:「佐藤あきこさん(38歳、働くママ)」など。擬人化すると感情移入しやすくなり、広告文にリアルさが出ます。

ペルソナの利益(ベネフィット)を中心に書く

ペルソナが定まれば、文章は驚くほど書きやすくなります。
「この人なら、どんな言葉に反応するか?」「何に安心するか?」と考えながら書くと、自然と刺さるコピーになります。

たとえば:

  • ❌ 「当店の施工技術には自信があります」
  • ⭕ 「子どもたちが落書き、傷にしてしまったクロスやフローリング、当店のリフォームで新築のようになります」

おわりに

せっかくチラシやLPを作るなら、「できるだけ多くの人に届けたい」と思ってしまいがちです。

しかし、高齢の男性と若い主婦では、響く言葉も、求めている情報もまったく違います。

だからこそ、時間をかけてでも“ペルソナ”を明確にすることが、実は一番の近道。

「このチラシを、あの人が見たらどう感じるだろう?」——そんな視点から考え始めると、伝えたいことが自然と見えてきます。